約2000万年～1700万年前のドミニカ琥珀の虫入りです。 体長約0.5ｍｍ のタマバエ Cecidomyiidaeの腹部に、2頭のシラミダニ Pyemotidae が寄生しています。またそれとは別のシラミダニ2個体がタマバエのごく近くにみられます。後の個体はもともとタマバエに付着していたものが、樹液の中を流れて沈む際に分離したと推定されます。 シラミダニ自体の発見が琥珀からはほとんどなく（ウクライナ産バルト琥珀で1例、ビルマ琥珀で1例があるだけのようです）、実際に昆虫の体表に付着している状態で発見されたのはこれが初めてです。 スマホの撮影ではこの解像度が限界ですが（逆に言えば、スマホでもこの程度は見れます）、保存状態はきわめて良好です。過去の生物間のインタラクションが保存されたものはコレクターに珍重されますが、出品のものはこうした寄生関係が成立した地質時代の証拠となるため、学術的にも極めて重要性の高い標本です。 琥珀の大きさ: 19x12x6 mm ＃0216 最後の画像はＵＶライト（＝紫外線ライト、ブラックライト）を照射した際の蛍光反応です。ブルーに蛍光していますが、通常タイプの琥珀で、ブルーアンバーではありません。自然光や白色ＬＥＤでは弱い緑色の蛍光が見られます。 ちなみに、ドミニカ琥珀のブルーアンバーにはまず虫入りは見られません。そのようなものは熱心に探して、10年に一度あるかないかの幸運でしょう（出品者は琥珀を集め始めた初期に1度見たことがあり、16年目にして、今年ようやく1つ入手することができました）。